前回の記事では、狭小住宅の嬉しいメリットについてお伝えしました。狭いながらにも魅力的な点が多かったですよね。
しかし、一方では注意すべきデメリットもいくつかあります。初めに理解しておかなければ後悔することも…。しっかりチェックしておきましょう。
◆狭いことを理解して住もう
限られた小さな土地を有効活用できる狭小住宅。建設中や完成直後は、荷物がはいっていないガランとした空間で「思ったよりも広い」と思えるでしょう。
ただ、実際に荷物を運んで配置すると「やはり狭かった…」ということも。
特に、子供部屋は3~4畳と小さいプランしかできないかもしれません。机や本棚、ベッドを設置したら圧迫感がある部屋になることも少なくありません。狭小住宅を建てるのであれば「狭い」ことを前提に、スペースに合せた家具を購入するのもいいかもしれませんね。
◆プライバシーが曖昧になることも
狭小住宅では、空間を上手く繋いでいくため、スキップフロアを取り入れることがあります。
1階と2階の間に「中2階」、2階と3階の間に「中3階」となる空間を作りだすことです。これにより、廊下がカットされ、住まい全体に開放感をもたせます。ただ、間仕切り壁が少なく、お互いのプライバシーが保ちにくいというのも不満のひとつになるかもしれません。
また、隣家にも気を使います。敷地ギリギリに建物が建っていると、隣の家が近すぎて落ち着かないこともあるでしょう。窓を開けると生活音がお互いに気になるかもしれません。間取りのプランニングの際には、隣の家との関係性もよく考え、窓やドアの位置をずらすなどの対策が必要になりそうです。
◆建築コストが割高になることも…
敷地の状態によっては建築費用が割高になります。例えば、住宅が密集しているエリアだと、前面道路が狭い、袋小路など、条件が悪いケースも少なくありません。資材の搬入がしにくいこともあり、工事車両が入りづらければ、手運搬や手作業になり割り増し料金となるでしょう。また、縦長の住まいのため、階段が増えてコスト増に繋がります。
◆階段の昇り降りが大変
ワンフロアの面積が狭ければ、生活動線が縦に伸びます。1階にキッチン、2階にお風呂、3階にトイレ…など、生活動線が複雑になってしまうこともあるでしょう。3階建てともなれば、毎日の生活のなかで階段の昇り降りに不便を感じるかもしれません。
それに、ケガをした、体調が悪い、老後など、狭小住宅での暮らしが難しくなるときがやってくる可能性も考えておくといいですね。
◆まとめ
狭小住宅は、利便性の高い都市部にもマイホームが買える魅力が注目されていますが、メリットだけでなくデメリットも頭に入れておきましょう。縦方向に伸びる空間を上手に利用できるプランがあれば、デメリットもそれほど不満に感じないことも多いです。
アイデア次第では、狭小住宅を感じさせないくらいの素敵な間取りで快適な暮らしが実現できるかもしれませんよ。